森六

かぶ1000氏は、株の売買履歴をブログで公開されている有名な個人投資家ですが、2019年2月25日のブログを見ると、
株1000
と「****を新規に購入」銘柄を伏せて、新たに株を購入されています。
このことについてTwitterでは、
とつぶやかれています。

株1000氏がどの株を購入されたのかずっと気になっていたのですが、
と、森六HD<4249>を購入されたようです。今回購入理由について、ブログには記載がなく、森六HD<4249>という会社も聞いたことがなかったので、どのような企業なのか調べてみました。

■株価と指標
森六HD
株価は、2600円で、下落トレンドから底打ちの兆しが見えている段階というところでしょうか。
指標的には
PER6.7倍
PBR0.66倍
配当利回り3.62%
と確かに割安ではあります。
ただ、ホンダとの取引が主な車載パーツメーカーということで、自動車関連銘柄は、景気敏感銘柄なので、低PER、低PBRが常です。
営業利益率も5.1%と、高いわけではありません。

■業績
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売上高は、あまり変わっていないのですが、営業利益が2017年3月期~2018年3月期にかけて、+48%も上がっています。

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 しかしながら、株価は下がり続けて、PERが6.4倍まで落ち込んでいるようです。
株価が下がり続けた原因ですが、2019年3月期の営業利益が、対前年度比でマイナスとなっているためと思われます。
 会社はこの理由を決算説明会の質疑応答で「主な理由として、樹脂加工製品事業における北⽶での新機種の量産等にかかる費⽤増加が、第1四半期まで残ることと、中国における主要顧客の SUV 減産があげられます。 」と説明しています。
 後は、前期が業績のピークで、今後、来期、再来期と業績がピークアウトしていくのかどうかが問題となります。

■四季報の評価
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 四季報を見ると、雌伏期(しふくき)とあります。「会社四季報」の取材記者が記したキーワード(寸評)で、急騰を予感させるキーワードが2つあります。それは、「雌伏」と「動意づく」です。雌伏の場合は、業績が上がっていくタネが仕込まれていて、いつ芽がでてもおかしくないという意味です。

■今後、業績が上がるタネとは
 
YoutubeのStockvoiceチャンネルにIPO時の映像が残っていました。

タネ1:2017年よりフォルクスワーゲンとの取引が開始
 フォルクスワーゲンは、2017年世界の自動車販売台数1位の企業です。そことの取引が開始されたということで、今後、売上の増加が見込めます。2019年3月期の売上高は、対前年度比9.1%増とそれほど増えていないことから、メキシコ工場を通じた本格的な取引拡大が、今後見込める可能性はあります。

タネ2:コスト改善による利益増
 対前年度比の売上高増は9.1%でしたが、営業利益増は、37.7%増と利益は大幅に増えています。会社説明によれば、「増収効果や製品構成の変化により利益率改善」とのことです。
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タネ3:EVの軽量化ニーズ
 今後、急増すると見られているEVですが、EVでは車体重量がもろに燃費に効いてくるため、車体重量の軽量化ニーズが非常に強いです。森六HD2
従来の金属ボディを全て樹脂外装に置き換えると4割ほどの軽量化が見込めるとのことで、東レ、住友化学、ブリジストンなども樹脂製の外装部品開発に取り組み始めていて、10年後を目処に実用化を目指すとしています。材料費が3倍になるので価格も課題とのこと。

2018/9/28「樹脂製EV、車体4割軽く 東レ・住化など」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35860690Y8A920C1MM0000/

森六HDについても技術開発は必要でしょうが、既に車の内装部品については、原材料調達から部品製造・納品までを行えていることから、これを外装部品に展開するハードルは、他社よりも低いと考えられます。

何より、EVへのシフトが加速することで、自動車の外装部品が金属から樹脂に置き換わろうとしているので、今後の業績拡大に期待が持てることは間違いなさそうです。

やる夫4